出来るだけ削らない治療
一度歯を削ると、詰めものをして機能を取り戻すことはできますが、削ってしまった歯は二度と元には戻りません。小さな虫歯を削ると、そこには金属または白い詰めものをします。そしてこのまま予防の対応をしないと、何年か後にその歯が、再びむし歯になることもあります。
つまり、できるなら歯を削らないことが望ましいのです。そのためには、むし歯を作らないことが一番です。当院ではまず虫歯の状態をしっかり診断します。削らなくてもいい場合には、削らない治療を選択します。痛みを取る一時しのぎの治療ではなく、患者様の将来を考えた上で、治療方針を決めていきます。また、予防歯科にも力を入れています。
歯の再石灰化
歯の表面に付着したプラーク(歯垢)がその下の歯の表面を脱灰する(溶かす)のは、食事や間食の後です。むし歯菌が歯に穴を開けるための酸を放出するからです。エナメル質に酸が付着すると、歯の表面からミネラルやイオンなどが流れ出します。これが脱灰と呼ばれる現象です。
この一度溶け出たイオンやミネラルが、再び歯の表面に戻って、溶かされた歯の表面を修復する作用のことを「再石灰化」と呼んでいます。実は、これらはほぼ食事のたびに繰り返されます。この再石灰化を促す環境を整えることが大切です。
インフォームドコンセントとは
インフォームドコンセントとは、医師が患者様に対して、治療内容や費用などについて分かりやすく説明をし、その上で治療の同意を得ることを言います。当院では患者様の声をよく聞き、その方の訴えをしっかり受け止めるようにしています。また口頭で説明するだけでなく、レントゲンや模型、図、写真など視覚的にも分かりやすいように心掛けています。そこで私はもとより、スタッフの衛生士についても、スタディーグループに所属して自己研鑽に努めるようにしております。
POSとは
「Problem Oriented System」の略で「問題志向型システム」とも言います。患者様の持っている医療上の問題に焦点を合わせ、それを解決しようとする一連の作業システムや考え方のことを指します。患者様のデータを集め、分析し、治療上の問題を的確に抽出したうえで、治療方法を検討することが歯科治療でも大切であるとの考えから、当院で採用しております。
予防歯科のポイント
毎日歯をみがいていても、むし歯になってしまった経験はありませんか?自分ではきちんとケアをしているつもりでも、みがき残しができてしまうものです。歯科医院などで指導を受け、自分に合った適切な方法で歯のお手入れをすることが大切です。そのためにも、「予防歯科」のポイントに合わせたセルフケアのアイテム選びをしましょう。
定期健診を受けましょう
歯並びなど、お口の状態は一人ひとり異なるので、歯科医や歯科衛生士に自分に合った歯みがき指導やフッ素塗布など専門的なケアをしてもらいましょう。みがき残しがないかなど定期的なチェックのために、歯科医院などでの健診を年に2~3回受けることが望ましいでしょう。
歯科医院で行う主なケア | ||
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口腔内検査歯や歯ぐきの状態をチェック。お口の中の細菌数の計測など。 | 歯みがき指導一人ひとりのお口の状態に合ったセルフケアの指導。 | フッ素塗布高濃度のフッ素を歯に塗布するむし歯予防処置。 |
スケーリングスケーラーという器具を使った歯石の除去。 | PMTC普段の歯みがきでは落とせない歯垢などを、専用機器で取り除く。 | シーラント歯垢が残りやすい歯の噛み合わせなどの溝を樹脂で塞ぎむし歯を予防する。 |